去年のジュニアの県代表が全国大会で勝てなかったので、富山のレベルは低いのかと思ってましたが、とんでもない勘違いでした。

年末の高円宮杯U15でスクエア富山がベスト8、カターレ富山ベスト16。

で、富山第一(以下、一高)の、大逆転での高校選手権優勝。感動しました。

しばらくの間、大事な試合で0-2に追い込まれても「あの時の一高を思い出せ」って言えば小学生にも伝わりそうです。

10期生の菅田君がベンチ入りして出場もしてました。おめでとう。今度三郷小で「りょうへいサイン会」でも開いたら来てくれるかね。

今回の一高の快挙は、富山県のサッカー少年達に希望と勇気を与えてくれたに違いありません。水橋FCも勢いに便乗させてもらいましょう。17期生以下、シーズン開幕前からはりきっていきましょう。

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このまま「イチコウ凄いねー」で終わっちゃうと女子高生のツイートと同じになってしまいますので、ついでにサッカーの話を。

日本テレビの実況ですが、高校サッカーと箱根駅伝との区別がなくなってきてますね。
武田クンとか城クンの解説はとても幼稚。他の方も、もう少し掘り下げたサッカーの話をしていただきたいものです。

どの試合でも、一高の前~中盤でのプレスが効いてたように見えました。準決勝ではポンポンつないでた星稜もあっさり捕まってしまいましたね。どんな理屈であの効率的なプレスができるんでしょうか。コッソリ教えてもらいたいです。

同じ高校生が主役の、Jユースカップという、誰にも注目されないような大会が年末にあって、その決勝戦を見ました。

上手い下手は別にして、クラブのサッカーと高校サッカーには大きな違いがあって興味深かったです。実際の現場のことは分かりませんが、高校生のサッカーに「クラブバージョン」と「選手権バージョン」があるような感じなんですかね。

『高校サッカーは頭脳が9割』という(タイトル倒れの)本に、2年前の選手権で初めて国立まで行った監督のインタビューが紹介されてます。

「・・・なぜ選手権のときのように、縦に早いサッカーというコンセプトを選択しているかというと、単純にそれをするしかなかった。うちの選手には技術がないので、高円宮杯のプレミアリーグやプリンスリーグに所属するチームのようなパスをつなぐサッカーはできない・・・」

クラブ側は反論するでしょう。

「パスがつながらない原因の大半は、ボールを持っていない選手のポジションとボールを持っている選手の判断が悪いから。(=ボールを持っている選手の技術ではない)」
『スペイン流サッカーライセンス講座』

選手権:「サッカーの目的はパスをつなぐことじゃない」

クラブ:「パス成功数と勝率が比例するのが現代のサッカー」

選手権:「その流れもドルトムントのサッカーで変わってきてる」「それにうちの生徒は選手権で負けたらサッカー人生も終わり。だから泥臭くても勝たせてやりたい」

クラブ:「1校を除いて遅かれ早かれ負ける。だらかこそ、グローバルスタンダード(世界基準)を追求してほしい」

と、ずっと続いて正解が出ないからサッカーは面白くて、進歩するんだと思います。

ちなみに、U17とかU18とかの年代別日本代表にはクラブ側の選手が圧倒的に多く、A代表になると選手権出身の選手が半分くらいになるそうです。

今頃「オレも選手権に出る!」って自主練に励む小中学生が多いことでしょう(我が家ではそんな気配もないですが)。ただその受け皿が一高だけだと、寂しいです。

一高以外の高校生諸君も、現実的には打倒一高「2nd」とか「3rd」になるんでしょうが…怯まず臆せず食らいついていってもらいたいです。

指導者の皆さんもますます大変でしょうね。それでも「うちの選手は技術がないから・・・」とは違う方向でチャレンジしてもらいたいなあと、私は思います。田原