「世界で最も優れた監督は誰か」というアンケートを今行ったら、高い確率でペップ・グアルディオラ(バイエルン)が一位になると思います。
先日のチャンピオンズリーグ、対ユベントスとのセカンドレグ。前半終わった時点で0-2(通算2-4)で敗戦濃厚のゲーム。後半、鮮やかとしか言いようがない選手交代と戦術で逆転勝ち。この1試合にスカパーの契約料の半年分払ってもいいと思いました。
その少し前の国内リーグ戦。ドルトムントとの試合もハイレベルで見ごたえがありました。結果は0-0のドローでバイエルンにとっては価値ある引き分け。
その試合が終わった後、選手同士がピッチ上で握手しているような時間に、監督がキミッヒという若い選手を捕まえてすごい形相で怒鳴ってるんです。大観衆がまだ残っててテレビ中継も終わってないような時間に。
若いといってもバイエルンで先発出場してるくらいなので、ワールドカップ優勝国ドイツの、エリート中のエリートの選手に対して。
それにグラウディオラは今シーズンでバイエルンを退団することが決まってます。もう残り少ないわけですから、多少気になることがあっても、余計なこと言って選手に嫌われたくないって思うのが普通だと思うんです。ちょっとびっくりしましたね。
すごい顔で怒鳴り散らしていても「怒る」とか「叱る」ではなく、「教えてる」って感じでした。
「お前はもっといいフットボーラーになれるんだ」「世界にもっといいフットボールを見せたい」そんな圧倒的な情熱を感じることができました。
どのプレーに対してのことなのか私にはサッパリわからないものの、グラウディオラの情熱から「どんな状況でも目の前のことに全力で取り組むことが大切なんだよなー」と、自分への教訓としたはずが、私の情熱はちょっと花粉が飛んでくるとすぐなくなってしまうのです。田原