「怒鳴るだけの指導者は・・・」では、「育成大国スペインでは、日本のように”怒鳴るだけの指導者”が野放しにされることはないという。」と仰ってますが、実情はどうなんでしょうか。

イングランドではこんな感じらしいです。

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恐れ入ったな、このタッチライン際のまぬけ面には。いったい何様のつもりなんだか。顔を真っ赤にして叫び倒す、指を突き出す。
見てらんないぜ。そんなに熱くなって、いきり立ってどうする。

チャンピオンズリーグの決勝じゃあるまいし。たかが地方の子どものフットボールだろうが。
今時はもう流行らないぜ、そういう、ガキのフットボールを預かるストレスでイッちまってるタイプの監督なんぞは。

中略

ほらまただ。チャンスを逃したのを見て大袈裟に両腕を頭の上に投げ出したかと思うと、やっと筋の通る言葉を捜しちゃ、プレーヤーたちに向かって怒鳴りつける始末だ。

もっとも、せいぜい「おらー、何やってんだ」とか「がんばれ」止まりだけどさ。

中略

おやおや、今度は何だ?失点したらピッチに背を向けちまうのかよ。うなだれて、地面を蹴飛ばしてやがる。

中略

哀れなもんだ。きっとFA(イングランドサッカー協会)のトレーニングセッションでも使える、良い教材になるだろうよ。タッチラインで平静さを失うってのはこういうことだって。しまった、携帯のカメラで撮っとくんだったな。

たたし、そうするにはちょいと問題がないわけじゃない。
そのタッチライン際のまぬけってのは、他でもない、私だからだ。
この私がその取っちらかった道化で、まぬけなうすのろだからだ。

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これは、イングランドのスポーツライターが、自ら親コーチをつとめるチームと、対戦相手を自嘲気味に描いた「日曜日のピッチ(父と子のフットボール物語)」という本の書き出しです。こいうタイプのコーチは決して珍しくないようです。2007年に書かれた本ですから、今もそんなに変わってないでしょう。

スペインと並ぶサッカー先進国でもこの程度ですから、日本はなかなかいいんじゃないでしょうかね。